真・女神転生 ディープストレンジジャーニー(以下DSJ)1週目クリアしました!
無茶無茶面白かった。最終的にプレイ時間約50時間、レベル92。カオスルートで進み、旧エンディング、追加エンディングとも見ました。
流石にメガテン慣れしているので、難易度スタンダードではトラウマものの何かに出会うこともなく、噂のマッカビームも1回しか食らわなかった。
最強はアスラローガ。もはや何もできなくなり、死を待つのみのパーティーが見るに堪えず、仕方なくアシェラト様のおしりを眺めるという悲しい思いをした。あとラスボスも強かったー…。勝てなさ過ぎてレベル上げまくってた。
アナライズされていない敵が表示されないのは面倒だったけど、めちゃくちゃヒールスポットとセーブポイントがあるのと、いつ敵が襲ってくるか大体わかる仕様になっているのと、サブアプリが優秀なのとで、ふつうに楽しくマッピング&レベル上げできてよかった。馬鹿みたいに強い敵が急に出ることもないし、思ったよりは易しい仕様。魔人も割と弱くてよかった。
まあ、エンドコンテンツまでやり込むわけではない私のようなヌルゲーマーには、たいへんちょうどよい難易度でした。大好きな脳筋主人公でごり押しできたし。
BGMもよかった。私は真1のギンザみたいな曲が好きなので、初見の時は、わッ雄々しいおっさんの声が壮大!(失礼)と思っていたけど、聞いているとだんだん楽しくなってきた。エリダヌスとシェキナー戦の曲がお気に入り。
悪魔がたくさん出てくるのも良きかな…。カオスルートで行ったので、自然カオスの仲魔たちばかりになったわけなんだけれども、それにしても全然悪魔全書が埋まらん。まあ、なけなしのマッカでシヴァとヴィシュヌを作れたので割と満足ではある。
そして、何より、びっくりするほどシナリオが良かった。っていうか、カオスルートがよかった。プラス、カオスヒーローたる、ヒメネスが良かった。
とにかくカッコイイ!ビジュアルが最高だし、声優櫻井孝宏という点もポイントが高い。上手いのなんの。基本RPGでボイスは全然再生しないんだけど(せっかち)、ヒメネスだけはちょっと聞き入ってしまった。
ヒメネスは、私が知っているカオスヒーローとちょい違う。悪魔に情けをかけるし、力を求めて悪魔と合体しない。RPG界の不良にありがちな、フツーに割といいやつなのだ。
このフツーに割といいやつは、悪魔にいじめられている、弱々しく言葉も喋れない悪魔を助け、仲魔にする。つまはじき者同士仲よくしようというのである。つまり、不良にありがちな捨て猫を抱き上げて「お前も一人ぼっちなのか」ムーブである。ベタだが、私は大層こういうのに弱いし、大抵のひとも弱いと思う。
ここで救われる悪魔バガブーがなんかキモカワイイ。身を挺してヒメネスをかばったり、守ったり、案外役に立ってもいる。覚えたての言葉を使いながらヒメネスと話しているのを見ると、仲の良い親子、兄弟のようでもある。
しかしこのバガブーが単独行動したために、この善良な不良ヒメネスは、(ドクズ畜生)人間集団に捕まり、人間と悪魔の合体の実験で拷問され続けた挙句、このままだと死んでしまう大切なバガブーを助けるため、主人公に合体させてくれと懇願することになるわけである。
ひどい。
あんまりにも、ひどい。
話には聞いていたが、実際やるとヒメネスへの愛着が相まって大変つらかった。
ジャック部隊とかいうド畜生集団はこの実験以外にも、力と利益を得るためだけの悪魔への拷問と虐待を繰り返しており、悪魔たちが「こうまでして力が欲しいのか…」と呪いの言葉を吐いていたり、スライム化してしまって「モウモドラナイ…」とか言ってるのを見たりするのはとても切なかった。
いやぶっちゃけさあ、ちょっとあんまりこういうこと言いたくないんだけどさあ、
ジャック部隊はみんな死ぬべきって思わなかった???
というわけで、私は当然ジャックを殺しに行くヒメネスを止めなかったし、神の僕に洗脳されたジャック部隊だろうが、みんな殺しに行きましたよ。
そしたらルート分岐に選択肢も出ないドカオスになってて、なんか隊長にメッチャ怒られました。
なんでだよ!!!
まあ、ジャック以外のクソは、洗脳でトロンとしちゃってるから別に殺す必要ないにしてもだ。
ジャックは、友達の体を拷問した挙句変化させといて何の罪の意識もなく、改造してより強力に従順にした悪魔をこちらにけしかけて、自分も銃持って殺しに来てるわけだからね??
真・女神転生シリーズは、たぶんなんとなくロウ側に寄るひとが多いと思うし、私も割とJRPGのお約束で育ってきたひとだから、いつも、ついついロウに寄ってしまうんだけれども、DSJに関しては、完全にカオスに寄るように製作者側が意図しているようにしか思えなかった。
いやだってジャック殺害は止められないだろ…(何度でも言う)
まあこのジャック部隊の流れ以外にも、カオス方向にプレイヤーを誘導するしかけは他にもある。
まず、サブキャラの人格の希薄さ。逐一物語が進むたびに、サブキャラには話しかけてたけど、ぜんぜん愛着が沸かなかった。
キャラ立ちしてないわけではないんだが、彼らと話す時間の5倍は仲魔と過ごしているし、別に着いてきて戦ってくれるわけでもない。だから同じクルーとか言われても、なんかあんまり仲間って感じがしない。そんな中でいちいち仲違いとかしているのを見ると、はー人間ってろくでもねえなとしか思わなかった。
まあ、メガテンシリーズ特有のあっさりした人物描写が裏目に出たっていうところなのかもしれないんだけど、やっぱり描き方に悪意があるというか、人間ってこんなもんだよね、感は否めない。
加えて、ロウヒーローと中心になる天使の描き方も、他作品にはない悪意がある。天使が、マジモンのぺ天使なのだ。
メガテンの天使は基本的にクソなんだけれども、それは神の繁栄を第一とするからのクソであり、一貫した信念と思想がある。クソだが誇り高い、素晴らしい敵なのである。
しかし今回のペ天使マンセマット君は神の繁栄とかではなく、自分が出世するためにロウヒーローを騙し、世界を再興したいという何ともケツの穴の小さい奴なのだ。
まあ、こいつのその目的がわかるのはカオスルートなんだけれども、なんか怪しい、信用できない、裏がありそうなオーラがずっと描かれている。声優も森川さんだし…(偏見)
そしてロウヒーローたるゼレーニンは、序盤から悪魔はイヤイヤ人間もイヤイヤしてるばかりで、こちらも特に信念とかは見えず、コロッとペ天使に騙されて人間を辞めてしまう。ロウルートをまだやっていないからかもしれないけれども、なんつーか、目的が全く見えず、自分のない奴だな…としか思えなかった。
そして最後に、合同計画本部の政治家たちのクソっぷりが、冒頭からみっちりと描かれているところ。紛争も環境破壊も他人事で、自分たちのマウント取りに必死で嫌になる。からの、調査隊が脱出してから核爆弾撃つとかほざきながら、普通にぶっ放してくる。
そりゃ地球も怒って悪魔を送り込んでくるわ、としか思わない。やっぱり描き方に悪意があるよね。
さて、こうなると、相対するヒメネスは、あまりにも優しく、いいやつに見えてしまう。ずっと(合体しながら)苦楽を共にしてきた仲魔たちへの愛着も相まって、いやー悪魔のほうがましでない?となる。
ジャック部隊の実験が明かされる随分前に、悪魔も人間を使って実験をしているシーンもあるのだが、それは純粋な人間に対する興味からの、殺すつもりも拷問するつもりもないけど結果あらら死んじゃった、という価値観の違いとして描かれているんだよね。
それはそれで怖いし残酷だけれども、人間たちの所業を見ていると霞んでしまう。少なくともこいつらは、笑いながら「呪え呪え」とかは言わなかったし、苦痛を材料に新兵器を作らない。
まあこんな風に見ていくと、ふつうにプレイしていて、人間守りたくなる、あるいは天使に加担したくなることって、よほど綺麗な子安武人ことアーサーが好きか、ニュートラルこそトゥルーエンドと腹を決めているひとしかいないんではないだろうか、と私は思う。
だいぶん長くなった。
まとめると、DSJのメインシナリオは、実はニュートラルルートではなく、カオスルートなんじゃないか?と思うわけだ。
ニュートラルもロウも、派生サブルートの一つでしかないのではないか、と。
しかし、そんな感じに誘導されてきたカオスルートだが、リメイク前のエンディングは、微妙に希望を抱かせながらも、それなりに絶望、という少々物足りないものだった。
じゃあやっぱりメインルートはニュートラルじゃないか、と思うだろう。
しかし、これがリメイク後で大幅に改善されている。そのうえ、ニュートラルの追加エンディングは、絶望に次ぐ絶望!そして地獄!みたいなことになっていた。
…実はけっこうネタバレを見ています。自分でもやるけどね!
追加シナリオのアレックスやデメテル、三賢人周りの動きの自然さは、カオスルートが一番しっくりくるように作られている。
特に、未来から過去改変に来たアレックスの動機の部分は、比較的有名な人の実況プレイで反応を見てしまったのだけれども、やはり私と同様に、ニュートラルよりしっくりくる!という感じだった。
ぶっちゃけ、カオスルートのためにリメイクしたのでは??
カオスルートの追加イベントでは、力こそ全てを謳うヒメネスに対し、アレックスが問うのは、「弱かったバガブーは死ぬべきだったか?」という問いである。
この問い、マジで完璧なんだよね。ここでヒメネスっていう不良(いいやつ)は、優しさを取り戻すわけである。悪魔になってるのに。もう悪魔になってるのに!(大切なことなので二回言いました)
この辺、やっぱり他作品のカオスヒーローとは全然違うというか、ヒメネスが一番人間って感じがしたよね。反省して考え直せる、やり直せるのは完全に人間の強みなんじゃないかなあ。
母たる、一時は心酔もしたメムアレフに異を唱え、結局は倒すことになってしまう(倒すのは主人公だけども)というのは、いかにも人間らしい。
今までカオスといえば力こそ全て!という世界観だと思ってきたけれども、力というのも一つのルールであり、ほんとうのカオスではない、というのは、比較的長年メガテンやってきた私にとって、なんだか目からウロコだった。
そして、至高の追加エンディングですよ。すべては無に帰し、何物にも縛られない、悪魔と人間の自由の世界が始まる。うつくしい大地に、ヒメネスの表情の穏やかなこと。お前ほんとうに悪魔なのか??これはつられて主人公もニコニコしちゃうな…。
いやこれもう、悪魔と人間が手を取り合い、理想の世界を作っていくってやつじゃん…。
実際問題、この後の世界が理想的なものかは全然わからん…というか、ヤベエ感じになる可能性がとても高いとは思うけれども、少なくとも選択肢は、何一つ余すことなく提示された感じ。あまりにも清々しい。
やっぱりこれがベストエンドですよ…。
いやあ、実はこの先に、私の幼少期の夢が叶ったって話をしたかったのだけれども、(多分読む側も)ちょっと疲れてきたので本記事は一旦終了。
この話は次回したいと思います。
とりあえず、未プレイでこの記事を読んでしまった人は、内容大体わかっちゃったと思うけれども、実機でプレイすることを強くお勧めします。無茶苦茶面白いです。ネタバレ知ってても面白いです。ちゃんとカオスルートやってください。
既プレイの方は、少しでも共感していただけたら幸い。
メガテニストの方は、次回ifと真3の話をしたいと思うので、ご期待ください。