かみむらさんの独り言

面白いことを探して生きる三十路越え不良看護師。主に読書感想や批評を書いています。たまに映画やゲームも扱っています。SFが好き。

鉄道開業150記念JR東日本パスを使って、一人で東北旅行に行ってきたよ!最終日

楽しかった鉄道開業150年記念旅も早くも最終日。もっと休みをおくれ!社会人も大学生の夏休みくらい休みが欲しい。せめて1か月くらい欲しい。

仕事を辞めろという話である(ちなみに退職予定はまだ立っていません)

さて、旅行記1日目と2日目は下記を参照してください。頑張って書いたので読んでもらえると嬉しい。

e-nekomimi.hatenablog.com

e-nekomimi.hatenablog.com

 

3日目、弘前観光と十和田市観光の後、盛岡に降り立った私。次なる目的地は、宮古にある浄土ヶ浜!つまり海!

実は当日まで、遠野観光とどちらが良いか迷っていた。遠野は10年前くらいに一度行ったことがあったのだが、遠野を舐めすぎていて、河童沼と昔語りくらいで終わってしまったのだった。

まあそれはそれで、めちゃめちゃ良かったのだけど……。なんならレンタカーのナビが必ず同じ場所で狂って、ぐるぐる道路を回ったとか、妖怪に化かされたような楽しい経験もしたし……。

ただ、もっと色々行きたかったので、次は遠野の主要観光地をくまなく回って、ジンギスカンも食べようと思っていたのだ。

でも昨日奥入瀬渓流に行ってしまったということもあり、ちょっと山より海気分となってしまった。山寒かったし。レンタサイクル乗り過ぎて尻が痛いし。

ということで遠野は後日として、山田線宮古駅行きに乗り込むことになったのだった。

朝6時32分に。また優雅な朝ごはんは無しである。

これを逃すと次は11時台しかない。普通に観光する人は高速バスに乗るらしい。高速バスは1時間おきくらいに出ているし、電車と同じくらいの時間……ではなく、ちょっと早く着く。

でもそこは鉄道開業記念のパスがあるので、電車に乗らないと損!

ということで、山田線。2時間30分弱で宮古駅まで着くらしい。

割と長いな……。寝ながら行くか……。っとちょいとウトウトしていると……

えっ、何?こんなに綺麗なの?っていうか、天気いいな!

山田線は山を突っ切って海に出るわけなんだけれども、途中車窓から見える山の風景がほんとうにうつくしかった。

車内でも静かな歓声が上がるくらい。空気が澄んだ朝だからこその景色でもあり、早起きした甲斐もあったというもの。

ちなみにお客はほとんど一人客、かつ、鉄道開業記念パス組。謎の連帯感。

基本的にずっと動いてる車窓を撮るのは大変だったんだけど、そこそこ良く撮れたかな、という一枚。ちょっと車内が反射してるけど。

山のほう、綺麗に色づいてました。

山中極まれり、というところから、だんだん海の方に降りていくと、景色も変わってくる。青葉が増えて、川が広くくなり、なんとなく潮風が吹いてくるのがわかる。

車と並走するようになると、ああ山を抜けて人里に来たなあ、という感じ。

 

というわけで、宮古駅に到着。いやあ天気が良くて良かった。

さすがにお腹が空いたので、菓子パンをかじりながら、浄土ヶ浜行きのバスを待つ。こちらは1時間に1,2本あって良い感じ。さすがは観光地。

奥入瀬渓流にも真似してほしいが、まあ、市街地から遠いと、いくら観光地といえど難しいよな……。

着いた着いた!海がビックリするくらい綺麗!ぼくが知ってる海と違う!

海だよね?(海です)

しばらくすると遊覧船が出るらしいので、この綺麗な海を見ながら待ちます。キラキラしている……。

お船が来たぞ!

浄土ヶ浜には2つ遊覧船があり、1つは青の洞窟に行くさっぱ船さんと、もう1つが宮古湾を周遊するうみねこ丸さん。

青の洞窟は興味があったけど、一人で乗るにはハードルが高かったので、今回はうみねこ丸さんに。

www.jodo-yuransen.jp

めちゃめちゃ綺麗なお船だな、と思ったら、なんと、今年の7月から就航した新進のお船だった。以前の船は客の減少や老朽化で、現役を退いた模様。

船内もめちゃ綺麗で大変良かった。お客さんも結構いたよ。

ちなみに、これが青の洞窟。この中に入っていくのもとても楽しそうね。

 

宮古湾には無数の小島があり、ぼうっとそれを眺めながら波に揺られる。

松島みたいだねえ……

しかし、松島の遊覧船にはできないお楽しみがあるのが浄土ヶ浜!何かというと……

こちらを見てますねえ!

そう、ウミネコの餌付け!

ここ、浄土ヶ浜では、ウミネコの餌付けが禁止されていないのである。

松島では、ウミネコの餌付けのためにウミネコが増えすぎてしまい、糞で松が育たないということから、ウミネコの餌付けは禁止になっている。

松島という一大観光地、客も多いし、致し方ない処置だろう。

ていうか、まあ、観光イベントとしての野生動物の餌付けそのものが、賛否両論なのはもちろんわかっているんだけど……。

浄土ヶ浜は松島ほどアクセスが良くないし、子連れで来る人も少なそうなので、そこまで問題にならないのだろうとは思う。

ちなみに餌は船内で買えるウミネコパン。海藻などを練り込んだパンで、ウミネコの体に優しい餌になっているらしいです。写真撮り忘れたけど。

パンを購入し、気が付けば船全体がウミネコの大軍に囲まれている。さあいざ、餌付けタイム!

しかしこのウミネコの餌付け、なかなかうまくはいかないの。

手に持って手渡そうとすると、いい感じに指を食われる。怪我をするほどではないのだけど、割と痛い。

痛いので放り投げて食べてもらおうとするも、今度は海に落ちる。

手をチョキにして挟むとうまく食べてくれるとのことで試してみると、高確率で指を食べられないので良かった。でも不器用な奴は平気で指ごと毟っていきます。

最終的にウミネコを引き付けてから、口に向かって投げるという技を身に着け、指を守るように。そして技術が発達してきたころにパンが終わる。

楽しかったが、思っていたより疲れた。汗かいた。

餌を食べているところを写真におさめたかったけど、当然そんな余裕はなかった。動物を撮るって難しいです。

 

さて、こんな感じで大満足の船旅は、だいたい1時間ほど。

お船に別れを告げ、最近駅のポスターになっていることの多い、表浄土ヶ浜へと向かう。浄土ヶ浜、表と裏があるのだ。違いはわからない。

いやあ、ポスターやパンフレットで何回も見た光景が目の前にあるのは、胸が躍りますねえ!ちょっと雲が出てきてしまったが、あまりにもうつくしい場所。

さながら浄土の如し、と宮古の僧侶さんが称したことから、浄土ヶ浜と呼ばれるようになったとのこと。

私が天国のようだなあ、と思った場所は、知床の高架木道が真っ先に上がるのだけれども、そこに勝るとも劣らない天国感。

何度も言うけど海が本当に綺麗で輝いている。こんなに綺麗な海は東京のほうだとちょっとお目にかかれない。

呆然と座って、ずっと眺めていたい。

当然ここにもウミネコがいる。ミャー!!って言う。ほんとにネコの鳴き声みたいで、カワイイ。

さて、この辺りでそろそろお昼。表浄土ヶ浜の奥には、観光客向けの食堂がある。ここで今日はどうしても食べたいものがあるのだ……。

それがこちら。宮古名物、瓶ドン!

牛乳瓶に海鮮を詰め、ごはんにかけるというスタイル。もともとはウニを海水とともに牛乳瓶に詰めて保存していたことから、このスタイルとなったらしい。

食堂に置いてあったのはサーモンといくらのものだったので、こちらを注文。

まあ、綺麗に盛り付けはできないんですけどね。

でも味はかなり最高だった!

サーモンといくらは良くタレに漬かっていて、甘みとしょっぱみが絶妙。特にサーモンは脂がかなり乗っていて、白いごはんと合うんだコレが。

あんまり米を食べない私も、これにはバクバク食べちゃったね。

一緒に入っていためかぶも、シャキシャキとした触感で歯ごたえが良い。ぬるぬるシャキシャキはなかなか無い体験。

お酒にも合いそうだったのだが、何故か酒は飲まず。後になってからビール頼めば良かったなあと思うが、まあ、しかたなし。

 

そんなわけで、昼過ぎには旅も終わったような気持ちでぼうっとしていたわけなんだけれども。あまりじっとしているのは性に合わないわけで。

駅に戻っても特に他に行きたい場所もなく、お土産品を買うつもりもあまりない。どうしようかな~……。

とりあえず、歩くか。

というわけで、電車までの時間、展望台巡りをすることにした。

さすがに海辺まで来て山歩きをする奴はあまりいないらしく、この展望台探しではほとんど人に出会わなかった。いやあ、人がいないところは楽しいなあ(人間嫌い)

おおお……なかなかの眺めじゃ……。

しかしこの展望台巡り、結構な距離を歩き、浄土ヶ浜から歩いていける展望台5つ全て巡ってみたのだが、正直絶景というには惜しい!という感じになっていた。

たとえば、

さらに、

そう、展望台を作った時よりも木が成長しすぎて、視界を遮ってしまう問題が発生していたのである。結構歩いただけに、これはちょっと残念だった。

まあ、これはこれで良い経験というか、森林浴としては大変気持ちが良かった。単純に知らない場所を歩くのはとても楽しいし、人もいなくて快適だったしね。

ただ、これから旅行に行く方で、映えや絶景を求める方は、浄土ヶ浜からほど近い、御台場展望台くらいにしておくと疲れなくて良いかもしれない。

あと、浄土ヶ浜大橋はかなり開けていて、展望が良いので、そちらに行ったらよいかと思います。眺めはこんな感じ。ゼッケーイ!

 

そんなこんなで、電車の時間が迫ってきたため、バスで宮古駅に戻る。やはりフリーパス効果で人が多いのか、混雑していた上に少し遅れていた。

ついでに帰りの山田線もそこそこの混雑。平日なのでさすがに立っている人はいなかったものの、座席はかなり埋まっていた。

鉄道開業150年記念というお祭りに、みんなノリノリなんだなあ……。

帰りの電車は15時54分だったので、夕暮れ時の山が少し見えただけで、後は車窓も真っ暗になってしまった。山の中に行くと毎回思うが、昼と夜で全く印象が違う。陽が落ちた後の山はほんとうに暗くて危ない。

電波も途中から消えてしまい、とにかく暇なので、劉慈欣の新作短編集「流浪地球」を読みながら電車に揺られる。「呪い5.0」があほ面白くて笑いを噛み殺したり、「中国太陽」の未来への希望に胸打たれて車内で号泣したりしていると、いつの間にか盛岡駅に着いていた。

劉慈欣「流浪地球」たいへんおすすめです!(唐突な宣伝)

そのうち当ブログでもレビューします。たぶん。

さて、この日は家に帰らなければならないため、盛岡駅にいられるのは1時間ちょっと。こういう時はサクッと……

ビールでも飲みましょう!!

というわけでやってきたのは、ベアレンビールの醸造所直営レストラン、ビアベースベアレン盛岡駅前さん。

www.baerenbier.co.jp

ぴょんぴょん舎で飲んだベアレンビールがたいへん美味だったので、来てみた。

ここでは定番ビールから季節限定ビールまで、様々なビールが樽生で楽しめる。やはり瓶ビールとは鮮度が違う!

……細かい味の違いは実はわかってないけど、個人的には樽生は口当たりが良くて飲みやすい、泡が美味い、みたいな気がしています。

最初に頼んだのはトラッドゴールドピルスナー。アルコール度数も低く、キリっとしてのど越しが良い。水のように飲める。やはりビールも水か……。

旅の疲れも相まって、もう美味すぎて立て続けに3杯くらい飲んだ。ヴァイツェン美味しかった~!

提供されるグラスも可愛くて、良く見たら売っていて買うか買うまいか最後まで悩んで、結局買って来なかった。買えばよかったと今は後悔している。

もちろんビールだけでなく、色々なおつまみもある。

定番のフィッシュアンドチップスはビールに合うナンバーワンの最高さだったし、

特に美味しかったのがこのシイタケをガーリックバターで焼いた奴。シイタケがぷりぷりで食べ応えがあってもう美味いのに、ガーリックバターの風味で天にも昇る心地。雫石産らしい。

雫石、小岩井農場があることくらいしか知らないけど、今度絶対行ってみたいですね。

ちなみに右上のビールがヴァイツェンだったはず。

 

軽く飲めばいいやという気持ちで入った店だったけど、完全に1時間では足りなかったでござる。もっと食べたかったし、飲みたかった……。

しかし次の日からまた社畜に戻る必要があるため、泣く泣くお会計を済ませ、新幹線に。

車内で寝ようかと思ったけど、酔っ払い度が足りずに寝られず。そのわずかな酔いも途中で冷め、ぼうっと夜の明かりを眺めながら新幹線に揺られておりました。

帰りはなんとなくはやぶさじゃなくてこまちの方に乗ったんだけど、こまちのほうが揺れるね。

こうして私の長いようでぜんぜん短かった旅も終わり。交通費的な問題でなかなか行けない青森、岩手を堪能しまくった、たいへん充実した3日間であった。

久々の一人旅だったけれども、もう後1ヵ月くらいは旅できるな……と思った。生活が破綻するので現実には無理だけどさ……。

ちなみに後から交通費を計算してみたら、ちょうど半額くらい得をしていた計算になった。

電車旅でもないのに、このお得さはやはりお祭り。電車メインの旅なら、この何倍もお得になったに違いない。混んでただろうけど……。

いやー、それにしてもあまりに楽しかった。次の日仕方なく仕事に行ったけれども、正直頭がまだ東北にあって、仕事してるのか旅行の夢見てるのかよくわからなかった。

今度弘前のシードルと宮古の瓶ドンとベアレンビールは通販で取り寄せてみようと思っている。八戸で飲んだ最強辛口日本酒、弐拾六も家にほしいな……。

いや酒ばっかりか。

調べてみたら瓶ドンなんかはふるさと納税でも貰えるらしいので、それもアリかなと思っている。

今後も某コロナの状況を見つつ、折を見て一人旅に行きたいな。冬は寒いから、今度は伊豆辺りに。伊豆もどこに行っても楽しいからな……。

旅行記を書くのも思ったより楽しかったから、またそのうち記事を書くと思います。

よければこれからも、どうぞよろしく。