かみむらさんの独り言

面白いことを探して生きる三十路越え不良看護師。主に読書感想や批評を書いています。たまに映画やゲームも扱っています。SFが好き。

人生に疲れた看護師が東方Projectで救われた話

始めに言っておくけど、別に某疫病で疲れてるわけではない。どちらかというと介護福祉畑で仕事をしているので、まあクラスター化するとニュースになって地獄を見る可能性はあるけど、幸いにも今のところはみんな無事です。

疲れたというのは、自分の人生があまりに無価値な感じがするという、多分割とメジャーなやつである。最近30も過ぎたのに、未だになんか大学生にもなりきれないような感じでウダウダしている。

何年か前は物書きになろうとしていて、でも多分才能はなかった。それは文章を書く能力とかだけじゃなくて、人格も向いてなかった。

でも全然諦められてなくて、多分残りの人生は、この才能のなさを諦めるために使う人生なんだろうと思ってる。うわー無意味では…。

まあ全然人生は詰んでなくて、むしろ私は看護師としてはそこそこ優秀な方である。仕事自体もさほど嫌いでは無い。前職は臨床心理士にいじめられて辞めたので、暇で人間関係が重要な職場には向いていないけど、やることが多くて忙しい職場ではそれなりに上手くやれると思う。つまりはブラック企業で、つまりは病院や介護施設ですね。

自分で言うのもなんだが、昔から割と要領がいい。学生の頃、実習真っ最中に戦国ランスにハマって、無事合格した上にちゃんと全ルートもクリアした。と言えば有識者の方には伝わるだろうか。

でもそれがある意味では私の虚しさの理由でもある。

破滅的に何かにハマることなく生きてきた。前述した戦国ランス、あるいはランスシリーズも生きる希望にしてきたほど大好きな作品だけど、結局は浅瀬でチャプチャプ楽しんで終わってしまった。

多分これは私の人格的なもので、もう変わらないんだと思う。

それは悪いことじゃ無いことくらいわかっているし、大半の人間がそうだということもわかっている。シヴィライゼーションをやり過ぎて留年する人間は、はっきり言ってだめである。

でも身持ちを崩すほど何かにハマっているひとを見ると、無性に羨ましくなってしまう。

その人はその人で大変なんだろうけどね。

まとめると、夢を諦められず、人生を賭けるほどハマれるものも見つからない、ただ仕事だけは上手くやれているので、他に新しい挑戦もできなくなっちゃったんだよね。

たぶんよくある人生です。

 

これ以上人生を拗らせている話をしてもつまらないので、そろそろ東方の話をしようと思う。

私が東方Projectを知ったのは、10年以上前のころだ。面白いゲームあるよと友人に言われ、東方永夜抄を借りてプレイした。

面白かったけど、当時の私は結局ノーマルクリアすら出来なかった。もともとシューティングはほとんどプレイしていなかったし、苦手意識もあった。ついでに集中力もなく、情緒不安定で苛々しがちで、上手くいくわけがなかった。

上手いプレイヤーが近くにいたのもあり、こんなふうに出来ないならやらなくていいやと言う気持ちにもなった。

なので、当時よくいた人々のように、ぬるく東方アレンジを聴き、カラオケで歌って、にとりにちょっと萌えただけだった。

最近。某疫病であまり外に出ることがなくなった。やりたいこともハマれるものもなく、仕事は大変だがなんとなくこなせていて、友だちも大していない。

夫とのドライブ中に、東方風神録のBGMを流していて、ふとやりたくなった。奇しくもSteamで配信された直後であり、とりあえず買った。ついでに東方星蓮船も買った。

当然、全然クリアできねえ。神奈子様強え。星蓮船に至っては5面すらクリアできねえ。

でもなんとなくコツコツプレイしていた。

ハマったという感じもなく、毎日ちょっとずつ触れば上手くなるかな?と思った。のんびりやれればよくて、上手くなりたいとも思わなかった。

なんか、それは、祈りのようなものだったかもしれない。

なんとなく、いつのまにか、風神録がクリアできるようになった。

星蓮船の5面も無事脱し、フライングファンタスティカ(ラスト)まで行けるようになった。

YouTubeで攻略動画を見て研究するようになった。

他の作品も購入し、Steamが東方作品でいっぱいになった。

今では風神録星蓮船はノーマル全機体クリアしたし、紺珠伝以外は初心者向け機体でノーマルクリアにこぎつけたし、風神録はExステージもクリアした。

うれしい。新しく何かできるようになるとか、上手くやれるようになるとか、そんなことはもう無いと思っていた。

だってみんな10代20代のほうが優れてるっていうじゃん。

でも東方に関しては、私は今の方が優れているんだよね。それは多分若さ特有のエネルギー暴走みたいなのが無くなって集中力がついたのが一つ。昔はバーって弾が来るとパニックで自分から当たりに行っていたんだけど、流石に色々経験していて、パニックの中でもできることを模索できるようになったし、傾向と対策を冷静に考えられるようになった。

あとは、昔は気合で全部避けようとしてたけど、今はちゃんとパターンを組めるようになったかな。自分の避け力を把握して、無理を感じたらボムを撃つ判断力がついた。

いやこの二つは仕事で得た力だよなあという。なんとなく要領良くやってただけの仕事でも得たものが案外あったわけです。

別に東方ができるようになったからといって人生は薔薇色にはならないけど、力を入れずに楽しみ続けているとそこそこ上手くいって満足感があるっていうのと、無駄なように思えたこともそんなに無駄じゃないんだなあというのがわかったのは、自分にとっては結構救いだった。

たぶんそのうち飽きると思うけど、今はまだ祈りのように楽しんでます。星蓮船のExはまだクリアできないけど、最近鵺ちゃんには会えるようになりました。